「トランプ氏はペテン師で嘘つき。いずれ独裁者になる」——ジョージ・ソロス氏 | BUSINESS INSIDER JAPAN

億万長者のヘッジファンドマネージャー ジョージ・ソロス氏は1月19日木曜日(現地時間)、トランプ次期大統領(注:執筆時点)は「ペテン師で嘘つき。いずれ独裁者になる」とする自身の見解を繰り返し述べた。86歳のソロス氏はダボス会議で、次期大統領は失敗すると確信していると語った。「彼は“異なる形”の政府を支持している。それは開かれた社会とは正反対の政府だ」。ホロコースト生存者であり、ハンガリー人の移民であるソロス氏は言った。「独裁政治かマフィア国家とでも呼んだ方がいい」。

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全く同感と言わざる得ない。彼は、「権力をワシントンから皆さんにお返しする」などと就任演説で述べたが実際は真逆で「権力を自分1人で独占しようとしている」のが現状だろう。一部の国籍の人々の入国を禁止するなど米国憲法違反の大統領令を連発し、自分の気に入らない事実は事実さえ曲げてしまおうとする。科学的事実でさえ消去してしまおうとする。地球温暖化に関する論文その他は連邦政府のデータベースから消去されてしまうとして、科学者が消される前にと慌ててデータのバックアップを急いでいるらしい。

自分の就任演説については、ABCの記者に「この多くの人々の愛に煽れた就任式を見て下さい。・・」などと歴代最小の参加者の下で行われた式に自己陶酔。極めて自己中心的なナルチストであることが伺われる。こうゆう人物には何を言っても無駄。多くの人に愛されていないと気がすまない極端な自己愛の持ち主。自己中なだけなのに自分は米国民のために全てやっていると自分勝手に思いこんでいるだけ。過去の独裁者にも共通して見られる傾向だろう。ヒトラーも同じようなものだったろう。

この政権で首席戦略官に就任したトランプの側近中の側近といわれるバノン(トランプを支える「バノン」の危険すぎる正体 )などは差し詰めナチス政権でヒトラーの側近として仕えたゲーリングのようなもの。

ヘルマン・ゲーリングは、ヒトラーの下で、ドイツ軍の空軍総司令官や国家元帥等を務めた人物で、戦後は戦犯として捕えられ、ニュルンベルク裁判で絞首刑の判決を受けたが、刑の執行前に自殺。刑務所に収容されている際、訪ねてきた米国人の心理学者グスタフ・ギルバートに対し次のように語ったという。

ゲーリングは、肩をすくめて答えた。「もちろん、一般市民は戦争を望んでいない。貧しい農民にとって、戦争から得られる最善の結果といえば、自分の農場に五体満足で戻ることなのだから、わざわざ自分の命を危険に晒したいと考えるはずがない。当然、普通の市民は戦争が嫌いだ。ロシア人だろうと、イギリス人だろうと、アメリカ人だろうと、その点についてはドイツ人だろうと同じだ。それはわかっている。しかし、結局、政策を決定するのは国の指導者達であり、国民をそれに巻き込むのは、民主主義だろうと、ファシスト的独裁制だろうと、議会制だろうと共産主義的独裁制だろうと、常に簡単なことだ。」

「しかし一つだけ違いがある。」と私(※ギルバート)は指摘した。「民主主義の下では、国民は選挙で選んだ代表を通して意見を言うことができるし、アメリカでは議会だけが宣戦布告できる。」

(ゲーリングは答えた。)
「それはそれで結構だが、意見を言おうと言うまいと、国民は常に指導者たちの意のままになるものだ。簡単なことだ。自分達が外国から攻撃されていると説明するだけでいい。そして、平和主義者については、彼らは愛国心がなく国家を危険に晒す人々だと公然と非難すればいいだけのことだ。この方法はどの国でも同じように通用するものだ。」(翻訳:鈴木)

情報源: 改めて考えたいゲーリングの言葉の意味

このゲーリングの言葉の中で、「武力的な攻撃」を意味する部分を経済的な攻撃に置き換えて読めばトランプの発言の背景も理解できる。ヒトラーもトランプも外国を悪者にし、米国民を意のままに動かそうとしている点で全く同じである。

このような指導者が、自由と民主主義を旗印に建国された米国に出現したというのが非常に恐ろしい。ポピュリズムも民主主義であることには変わりないが、トランプを支持せざる得ないような人々を生んでしまったということではこれまでの政権にも責任がある。

米国の三権分立が正常に機能し、トランプの独裁に歯止めが立つことを願っているが、ヒトラーがそうであったように、トランプはその三権分立や米国憲法までをも悪者にし、蔑ろにしようとするだろう。

いずれにせよ、世界にとって最悪の指導者が生まれたことは事実である。独裁者が北朝鮮位の小国ならまだよかったが、なにせ経済的にも軍事的にも影響力が極めて大きい米国である。やはり、日本も自分の身は自分で守ることを考えるべきではなかろうか。トランプがもっと金を払わなければ米軍を撤退させると言うならば、どうぞどうぞと沖縄から全ての米軍に撤退してもらえば沖縄は皆喜ぶだろう。

日本の政権は、歴代、風見鶏的傾向が強いが、間違っても、トランプ支持などという立場を打ち出すべきではない。それは、日本の国際的評価も下げてしまう。カナダのトルドー首相などはトランプの一部国籍者の入国禁止令にすぐに反発し、「迫害やテロ、そして戦争から逃れようとしている人たちへ。カナダ人は信仰に関係なく、あなたたちを歓迎する。多様性こそわれわれの強さだ。」と述べ、トランプを批判した。日本もトランプとは距離をおき、自分達の大切にしている価値は何なのかを鮮明にすべきである。自由、平等、その他、一大統領もどきの力で変えてはならない価値については勇気を持って主張すべきである。

このままトランプの独裁が万一続くような事態になれば米国から優秀な頭脳は流出し、連邦からの独立を求める州が出現し、米国は急速に衰退する。無理に米国一辺倒である必要はない。

最悪の場合は、米国が世界の警察国から世界の侵略国へと変貌するというシナリオだ。国内市場を閉ざし、閉鎖的にすれば、いずれ他国から報復関税をかけられ、米国製品が外国で売れなくなる。そうすると市場を求めて武力を使い、侵略する。これは第二次世界大戦以前の世界で普通に見られた光景である。戦前に実施されていたブロック経済が戦争を引き起こした根本要因である。トランプのような時代錯誤した偏狭な男が大統領なら、「米国のためだ!」と平気で侵略を指示するだろう。そんなとき、在日米軍が日本人に対して、武器を向けてくるというのが最悪のシナリオである。オルタナ右翼といわれる過激な右翼思想に染まっているバノンという人物を政権の要職につけるようなトランプだ。トランプが「金を払わないなら米軍を撤退させる」などとバカなことを言っているうちに、それではどうぞ出ていって下さい、というのが最もよい選択肢ではなかろうか。

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