舛添知事の広報危機管理

本日の東京都の舛添知事の記者会見、誤ることは誤ったものの、あとは「第三者の弁護士による調査を待ってから」との説明を30回以上も述べるだけの逃げ会見だった。ご自分へ疑惑が降りかかっていること、言い換えれば「危機」への対応としては、最悪、落第点という評価をするしかなく、こんな会見に納得した都民は恐らくゼロ人だったろう。

そもそも「危機」とは何ぞや、という明確な定義はないが、私は次のように考えている。

「目的を達成するために保有している資源(Resource)が何らかのインシデントにより急速に減少し、当該資源が果たしていた機能(Function)が提供できなくなる状態」

ここでいう「資源(Resource)」は、水や油のような物理的な資源だけではなく、人、組織、物、土地、建物、金、情報、知識、ノウハウ、方法、情報、ブランド、のれん、信用、手段、技術、時間など幅広く目に見えないものまでを含む「経営資源」である。そして資源には何らかの機能(Function)がある。人や組織による仕事も「機能」であるし、ボールペンという資源の機能は「字を書く」能力である(functional-approach)。

舛添さんは、「舛添要一」というブランドに秘められた「信用」という資源によって「都民に不安を与えない」という機能をこれまで維持し、都知事という業務目的を達成してきた。しかし、今回の「疑惑の発生」というインシデントにより、この「信用」という重要な「資源」が急激に減少し、その結果、「都民に不安を与えない」という機能が動作しなくなり、都民の不安が増大してしまったのである。なお、危機的状況下においては「時間」という資源もあまりない。急速に拡大している被害を最小限に抑えるためには、インシデントへの迅速な対応が求められている。

従って、このインシデントへ対応するためには、急速に減少しているご自身の「信用」という資源を何か別の資源によって補給するか、または、全く別の種類の資源によって「都民の不安を抑える」機能を提供しなければならない。それも迅速にである。

別の資源によって「信用」資源を補てんする手段としては、例えば、先日、三菱自動車が行ったように、日産自動車による買収を受け入れ、日産という新しい「信用」資源を三菱の空っぽになった信用ボックスに混入することによって復旧させるというような手段、簡単に言えば「保証人」を置くという手段があるだろう。その他、自分から積極的に未発表の膿を公表し、更なる信用の減少を防止する手段もある。全く別の種類の資源によって「都民の不安を抑える」という機能を代行させるためには、例えば、「原因究明を迅速に行い再発防止策を打ち出す」という手段があるだろう。

しかるに舛添さんの対応はどうだったか。誰か保証人を連れてきたか? 「ノー」。自ら膿を公表したか? 「ノー」。迅速な再発防止策を打ち出したか? 「ノー」。対応は迅速か? 「ノー」。全て「ノー」であり、都民の不安は極限まで増大し、最早、復旧不可能という状態である。

舛添さんの都知事としての政治生命は、もう「The END」だと思う。もっと悪化させないためには早く辞表を出して辞めた方がいい。

 

 

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