災害時における救助要請手段

先週発生した九州豪雨ではこれまでのところ29名の方が死亡し、まだ、行方不明者が21人もいるという。テレビなどを見ていると、被災者がLineやTwitterなどのSNSにて救助を求めている状況が数多くあるように思う。Twitterでは「#救助」などというハッシュタグをつけて拡散し、救助要請メッセージが広がっていったとも報道されている。しかし、公的な救助を求めるのであれば、このような手段は好ましくない。

人命救助や捜索救助は、自助、共助、公助の3段階に分かれる。自助は、自分自身でなんとかすることであり、共助は要救助者近辺のコミュニティーによる救助、そして公助とは、消防や警察、自衛隊などのように税金で運用されている公的救助機関による救助である。人命救助は、時間との戦いになることが多いため、到着までに時間を要する公助ではなく、可能な限り、自助や共助を実施することが望ましいことはいうまでもない。そして、共助を求めるのであれば、LineやTwitterを使うというのもわからないではない。しかし、LineやTwitterでは情報が世界中に広がりすぎる。

Twitterで救助を求め、たまたま、すぐ近くに住んでいる人がそれを目にし、救助に向かうというようなシナリオが考えられるなら、それでもいいだろう。しかし、その可能性はまずないし、福岡に住む人がTwitterで救助を求め、それを目にした北海道に住む人ができることは、110番や119番に電話し、「救助を求めている人がいます、助けてあげてくだい。」ということぐらいである。このような間接的な救助要請が110番や119番に殺到したらどうなるか。各地の110番や119番は大混乱し、大変なことになる。出処は一つであり、同一の救助要請が何百、何千と寄せられることになるのである。救助要請を受けた警察や消防では、同じ人による救助要請なのか、別々の救助要請なのかすら判断がつかなくなるだろう。

携帯電話が繋がっているのであれば、わざわざSNSなどで間接的な救助を不特定多数に求めるのではなく、本人が直接110番や119番に電話するのが最もよい。110番や119番では携帯電話の発信位置を特定するシステムも備えられているので、瞬時にその発信位置がどこなのが判明し、また、発信電話番号から誰が発信していのかも特定できる。多くの人は、110番や119番などに電話した経験などないだろうから躊躇するのかもしれないが、他人が間接的に通報するよりも、本人が直接的に通報するほうが、助かる確率ははるかに高い。大災害時は、110番や119番もつながりにくいという事態もあるのかもしれないが、その場合でもつながるまで何度かかけ直すことが重要である。

被災地の遠方に住む人が被災地の家族に安否確認し、連絡がとれないので、本人に代わって消防や警察に通報し、捜索救助を要請するというのは必要な間接救助要請だろう。しかし、それ以外のSNSを経由した間接的な緊急通報は、かえって事態を悪化させるということも理解しておく必要がある。

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