パンデミック・マネジメントに関する一考察

1月14日(土)のNHKスペシャル「Mega Crisis」は、パンデミックに関する特集だった。鳥インフルエンザに人間が感染し、それが人間と人間との間で感染していくリスクやエボラなどが広がるリスク、何れも現実的なリスクである。人類の歴史の中で、一度に大量の死者を出したCrisisと呼べるような事象は、戦争でも津波災害でもなく、目に見えないウィルスによるパンデミックである、というNHKの分析は、非常に重い。ウィルスも日々刻々と変化しており、まだ、知られていないものも数多く存在する。全てのウィルス感染をワクチンで予防するなどということは、100%不可能である。

では、そのような感染が発生してしまったときにはどうすべきか。これは、基本的に災害マネジメントや戦争における敵からの攻撃に対するマネジメントと何ら変わりはない。パンデミックもインシデントである以上、インシデントマネジメントに必要となる「機能」は、他と変わるものではない。異なるのは、その道具となる「資源」である。パンデミックを消防車で消火することはできないし、ウィルスを機関銃で銃撃して撃退することもできない。パンデミック対応に必要となる資源は、感染拡大防止のための隔離施設やベット、(効くか効かないかわからない)薬、防護服、消毒機器などではなかろうか。

例えば、国内のある病院でエボラの感染者が確認されたとする。その場合、その病院において迅速なインシデントマネジメントができるかどうかが、更なる感染拡大防止の鍵になる。院内にいた他の患者や医師なども感染が疑いがある以上、一定の隔離措置が必要にもなるだろう。ウィルスという敵が善良な人間の体内にいるという点が、他の災害マネジメントに比べて、対応を難しくする。自由な移動も制限せざる得ないが、そうすると文句を言う人が必ず出てくるだろう。このような場合に備え、特別な立法措置も必要になる。

このような事態が想定される以上、幅広く国民のコンセンサスを得た上での特別な立法措置を事前に行っておくことが必要である。既存の災害対策基本法などの枠組みで対応できることが望ましいが、不十分な点は恐らくあるだろう。様々な既存の制度を一度抜本的に見直した方がよいと思う。

 

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