原子力安全委員会の検討状況

原子力安全委員会からオフサイトセンターの機能に関するディスカッションペーパーが発表されている。

この中には次のような記述がある。

I 緊急事態における意思決定システム
(論点1) 米国連邦政府等が導入している「インシデント・コマンド・システム (ICS) に相当する、国や自治体の意思決定者が、的確・迅速な防護対策を意思 決定できるシステムの構築が必要である。このため、プラント情報、気象デー タ、モニタリングデータ、避難状況等の様々な情報を意思決定に役立つよう分 析評価し、インテリジェント化する意思決定支援機能が必要である。
意志の伝達や情報の交換を支障なく行うためには、個人で扱う責任の数、権 限の及ぶ人数ともに限界があるため、「責任範囲の明確化」が必要であり、国の 対策本部で意思決定すること、現地対策本部において事案処理レベルで意思決 定することを明確にすることや「指揮命令系統の一本化」も重要である。また 国及び自治体等が協力して活動するためには、「状況認識の統一」の手段が整備 されていることが重要である。さらに意思決定者の不在、通信不良等不測の事 態に対しても、迅速、的確に防護措置が取れるよう、意思決定者の代行順位を 明確にするとともに、緊急の場合は、上部の指示がなくても、現地で意思決定 できるよう意思決定手続きを予め明確にしておくことが必要である。

残念だが、これを読む限り、我が国の原子力安全委員会はICSの仕組みやメリットを全く理解していないようだ。ICSは「国や自治体の意思決定者が、的確・迅速な防護対策を意思 決定できるシステム」では全くない。ICSは事故現場での意思決定とマネジメントの仕組みであり、国や自治体はこの現場を支援するだけのことである。このあたりが恐らく日本の役人には理解できないだろう。

最近、私と米軍の友人らとでウィキペディアに「インシデント・コマンド・システム」という項目を作った。(⇒ウィキペディアへのリンク

多くの人に読んでもらい、我が国の緊急事態でのマネジメントシステムを大幅に改善してもらいたい。

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原子力安全委員会の検討状況」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 国はまた無駄な箱物防災に走るのか? | SAFETYON

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