日本の宇宙開発、準天頂衛星による測位システムを重要視・・・ガラパゴス化を防げるのか?

日本の宇宙開発において準天頂衛星(「みちびき」と呼ばれているもの)を重視するようだ。準天頂衛星は、

  • 米国GPS衛星の補強(地上の計測した既存のGPSの誤差補正情報を中継し精度を上げる機能。かつてはディファレンシャルGPSなどと呼ばれていたものと同じ。この機能は国土交通省の「MTSAT」にも搭載されている。)
  • 米国GPS衛星の補完(GPSと同じデータ型式で軌道情報を送出する機能。レシーバー側から見ると使える衛星が一つ増えることになる。準天頂衛星は日本ではほぼ真上に見えるのでビルの多い都市部でも必ずとらえることができ、精度が落ちにくくなる。)

の2つの機能がある。かつては、KuバンドやSバンドの通信・放送用トランスポンダーを積む計画もあったが、民間が商売にならないと言ったのでポシャった経緯がある。測位だけは、何とか国策として税金で、ということで、昨年やっと「実験用」という名目で一基だけ打ち上げた。しかし、この測位用衛星についても、下記のスラッシュドットを読む限り、非常に厳しい見かたの方が多いようだ。

日本の宇宙開発、準天頂衛星による測位システムを重要視。有人宇宙開発は縮小へ – スラッシュドット・ジャパン.

ある人は、「防災用」などと言う名目は、かつても、情報収集衛星を打ち上げるときに使われたが、情報収集衛星が一度でも防災用に使われた試しがあるのか、という。いい指摘だと思う。困ったときには何でもいいから、「防災用」にしようとする。かつて、「モバホ」などという衛星放送があったが、あれがつぶれる直前にも防災用に使えないか、などという勉強会が開かれた。しかし、結局つぶれてしまった。今回の政府発表などを見ると「災害時の安否確認」に使えるなどいっている。私から見るとバカバカしいの一言である。東日本大震災では、ケータイの安否確認サービスやグーグルのPerson Searchなどが使われたが、準天頂衛星で同じようなことができると思っているのか。携帯電話の電波を直接キャッチし、携帯の中継器として使うには、静止衛星よりも高い高度(39000kmくらいか)の準天頂衛星には困難であるし、特別な安否確認端末を開発したとしても、そんなものが広く普及するはずがない。また、ガラパゴス端末を作ってしまうだけであろう。衛星は、なるだけグローバルスタンダードに従って作らないと十分なマーケットを確保することはできない。緊急通信用の衛星としては、世界ではコスパス・サーサットという、正式な国際機構として各国の税金で運用されているシステムがある。どちらかというとこうゆうものとコンパチビリティーをとるのがまともな考え方だと思う。

さらに運輸多目的衛星(MTSAT)との仕分けも難しい。補強・補完の機能はMTSATと同じである。違うのは、MTSATが静止軌道であり、赤道上空に静止して見えるのに対し、準天頂衛星は常に日本の真上に見える軌道に少なくとも一基が飛来する(3基あればの話)軌道である、というくらいか。意外とこの事実は知られていないが、ここでも巨額の税金の無駄使いが行われている。MTSATなどほとんど役に立っていないに等しい。準天頂衛星のメリットはビルの多い都市部でも真上に見えること(静止衛星ではビルの陰で見えないことが多い)だが、果たして、投資に見合った効果があるのか。よく考えてもらいたい。都市部では今ではGPSがなくてもWifiポジションでも非常に高精度である。私は、東京で位置情報に不自由した記憶はない。

上げるのであればガラパゴス化を避け、国際的にマーケットが広がるシステムになんとしてもすべきであろう。それができなければ、また巨額の税金の無駄使いで終わる。

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