初期対応の遅れが致命傷の原因(福島原発)

「東大工学部出身の技術キャリアである中村審議官は、震災翌日の会見で、検出された放射性物質から、「(1号機の)炉心の中の燃料が溶けているとみてよい」と炉心溶融の可能性に言及した。正しい認識だった。ところが、菅首相と枝野幸男・官房長官は、「国民に不安を与えた」と問題視し、中村氏を会見の担当から外すように経産省に指示したのである。そして、枝野長官は会見で、炉心溶融情報について、「炉を直接見ることはできない」といってのけ、中村氏の正しい指摘を封印した。あの段階でメルトダウンを認め、すぐに海水注入の措置を取っておけば、その後の水素爆発、放射性物質の拡散は防げた可能性が高いと専門家は指摘する。菅氏、枝野氏が国民を危機に陥れた責任は非常に重い。」とのニュースポストセブンの見解に賛成したい。

私も、もっと即座に海水注入を決断できていれば、この最悪の事態は防げたのではないかと常々思う。ただ、私の意見は、首相が判断できなかったとかという問題ではなく、こうゆう緊急事態のために、現場に権限を予め移譲しておくなどの仕組みの未整備がそもそもの問題だと思っている。こんな緊急事態に、総理まで上げて、こんな技術的な専門知識の必要な判断を仰いでいたら、大変な初期対応の遅れを招くのは、ちょっと考えればわかることだろう。この緊急事態に、通常のBureaucraticな官僚組織の中で、ピラミッドの下から上にあげる意思決定をしていることがそもそも間違っている。海水を注入したら、廃炉になるかもしれないので責任逃れのために上の判断を仰ぎたくなる気持ちはわかるが、これは現場の責任で判断し、即座に行動を起こさなければならない問題である。私は、緊急事態における意思決定の仕組みを抜本的に見直す必要があるのではないかと思う。

なお、緊急時に通常の制度の中で対応するのは不可能であり、それこそ迅速な意思決定を困難にする。緊急時には、一定期間既存の法律の執行を停止できるようにするなど、柔軟な仕組みが必要だ。⇒ 緊急事態宣言/緊急事態法の制定

4/10付けのワシントン・ポスト紙も、「各国が「責任の明確な割当」を伴う「指揮統制体制」を事前に設けるよう定めている国際原子力機関(IAEA)のガイドラインに反している」と述べ、明確な責任の割り当てがなかったことを批判しているが、これも上記と同じ問題を指摘したものと言えると思う。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中