不安をあおりまくる政府広報

食物への放射能被害について、不安が増大し、野菜の買い控え、ミネラルウォーターの買いだめ、外国政府による日本からの食物輸入規制など、極めて深刻な被害が広がっているが、私は、この問題のひとつの原因として、政府の報道発表の仕方に大きな問題があるような気がする。

枝野官房長官は、3月11日以降、連日テレビに顔を出し、イタリアでは総理と勘違いされ、また、「えだる」(上司に恵まれない、寝ずに働く、などの意味)という語が、Twitterで流行するなど、一定の高い評価を一時期得たが、食べ物に対する放射能の影響に関しては、問題がある発表方法が多い。

「〇〇に暫定基準値より多めの放射能が測定された。これは、健康に直ちに影響があるものではないが、安全のため、出荷規制する。(摂取制限をする。)」

という論理で彼は発表している。つまり、「安全だが、規制する。」という矛盾する内容で発表していることになる。これで、世間は不安一色になり、大混乱が生じた。

単純に考えれば、安全ならば規制するはずがない、ということになるわけで、規制するのだから、安全ではないのではないか、と普通は考えるだろう。また、「直ちに・・」という言葉も、役人的などうにでも解釈できる曖昧な言葉である。

発表の仕方次第で、聞く人の受け取り方は大きく異なる。

基本的に放射能について、よく理解している庶民などはほとんどいない。従って、事実を報道することは確かに重要だが、発表の仕方や説明の仕方を誤ると不安を不必要に増大させる。また、人間の心理として、現在のような危機的な状況下では、安全だ安全だなどと言われると、余計に信用できなくなるのも事実だ。

「○○に危険な放射性物質が検出されたので規制します。しかし、少量ですから大丈夫ですよ。・・・」と言われても、最初の部分だけが、記憶され、恐らく、「だけど、少量だから大丈夫」というメッセージは何の慰めにもならないであろう。

放射線の危険度は、その蓄積値で問題のあるなしが評価される。例えば、1年間に100ミリシーベルト以下ならよい、などという具合だ。一回で100ミリ浴びたら、もうそれ以上浴びてはいけないが、一回1ミリなら、100回まで浴びてもよいということだ。

しかし、普通の人はそんなこと全く知らない。また、危険域の数値も知る人などいるはずもない。

では、こうゆう場合、人々へのインパクトを最小限にしつつ、事実を伝えるにはどうしたらよいか。

  1. まず、重要なのは、発表する人の選択である。枝野氏は、官房長官ではあるが、放射能の専門家ではない。やはり、この種の問題は専門家の意見として、発表する方が信用性が増す。例えば、緊急に専門家会合を開催し、その座長なり議長なりの先生に政府への勧告として、まず、発表してもらい、それを受けて、官房長官がその勧告に従います、などと発表すればよい。
  2. 段階的に規制を導入するという方法もある。例えば「放射線量が従来より多い食物が見つかっております。詳細は○○のとおりです。政府は、1年間同じ食べ物を毎日食べ続けたとしても影響でない数値を安全値として定めておりますが、測定された値ですと、3ヶ月食べ続けると危険域に達する恐れがあります。従って、あと数日観察し、放射線量が減少しない場合には出荷差し止め等の措置に踏み切りたいと思っております。その場合、農家等に対しては、十分な保証をお約束いたします。検出されたヨウ素131は、半減期が8日、すなわち、8日で放射線の量が半分になりますので、更に放射線の量が増加しない限り、問題はありません。」など。
  3. 更に「水にヨウ素131が含まれていたとしても、それをペットボトルに入れて冷蔵庫に保管しておけば、8日で放射能が半分になります。16日で1/4にもなります。」などというコメントを付すのもいいだろう。

こと食べ物のことなので、安全第一なのは理解できるが、発表の仕方を間違えると、関係のない食べ物まで不安が及び社会が混乱するだけである。

皆さんは、どう思うだろうか。

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